多くのビーシュリンプブリーダーが使っているアクアソイルアマゾニア。
豊富な栄養素と長期に渡っての安定した水質維持能力は他のソイルにはない魅力の一つです。
ビーシュリンプ=ソイル飼育が定番となった現在、多くのメーカーからシュリンプ用にソイルが開発されましたが、そのほとんどが吸着系と呼ばれる立ち上げ初期に有害物質を吸着し早い段階から生体を飼育することが可能なソイルでした。
ビーシュリンプが日本に入ってきた初期の頃や、水草レイアウト水槽を作ってきた人であればアマゾニアの立ち上げ方や維持管理方法など、ある程度特徴を理解しているので、アマゾニアでのビーシュリンプ飼育に関してはそれほど悩むこともなく維持していることと思います。
しかし、アマゾニアを経験せずにビーシュリンプを始められた方にはとても難しい問題であったりします。
アマゾニアは吸着系ソイルと言われるマスターソイルやプラチナソイルとは全く違う動きをするため、立ち上げの際にしっかりと時間を掛けて濾過サイクルを作る必要があります。
一方、吸着系ソイルはこの濾過サイクルを作る必要が無いため早いものだと立ち上げ翌日にエビを入れることができるソイルもあります。
今この記事を読んでくださっている方は、他のサイトやブリーダーさん、ショップさんなどで予め予備知識として見たり聞いたりしてきたことと思いますが、しっかり立ち上げたつもりでも実際にエビを入れてみてダメだったということも少なからずあるわけでして、ブリーダーを語って偉そうにエビ自慢ブログを公開している道産子海老も実は5~10%くらいの割合で失敗しているのが現状です。
なので、立ち上げ代行など出張して余所のお宅で立ち上げる際は、失敗の許されない場面ですので自分の鉄板仕様で立ち上げさせてもらっています。
話しが少し逸れてしまいましたが、アマゾニアでビーシュリンプ水槽を立ち上げて維持管理していく上で陥りやすい失敗例をいくつか挙げていきたいと思います。
換水不足
実はアマゾニアで一番多い落とし穴がこの換水不足なんです。
アマゾニアは、立ち上げて濾過サイクルができた後も長期に渡って有機物を出し続けるソイルで、立ち上げ後安定期に入ったと思って換水のペースを下げると途端に調子を崩すことがあります。
悪い言い方をすると、アマゾニアはとても水を汚すソイルで、どんなに能力の高い濾過を使用していても換水で補ってあげなければエビが弱ってしまうことがあります。
水槽が円熟期に入りアマゾニアからの有機物の溶出も緩やかになるまでは少なくても一年以上維持した後と考えます。
一年以上維持したアマゾニア水槽でもまだまだ暴れるケースもあるのでこれはとても判断が難しいのですが、気づいたらなっていたという方が多いかと思います。
立ち上げて数か月、最初は良かったけど最近になって何か調子が上がらない?ソイルの劣化?吸着系ソイルで始めた方や他のサイトなどで色々と調べた方などは、足しソイルや、エビの活性が上がる添加剤など使用するかもしれません。
ですが、汚い水にアマゾニアを足せばもっと汚くなります。添加剤で一時的に元気になったとしてもそれは元気の前借りであって結果的にはエビの寿命を縮める可能性もあるわけで、やはり換水で水を清浄化し健康に育てるのが一番なんです。その上で添加剤を使用するのが最も効果的な添加剤の使用方法です。
小型水槽に外部フィルター
30cmキューブなどの小型水槽でよく外部フィルターを使用している方を見ます。
何の根拠もありませんが、僕の経験上、水量が30L以下で外部フィルターでのセッティングは何故かうまく行かないことが多いです。
こればっかりは本当に謎だらけで、何度立ち上げても半年から一年でエビがポツポツ逝ってしまいます。
もしかしたら嫌気層が悪さをしているかもしれません。もしそうであれば外部フィルターに底面フィルターを直結して通水性を上げれば多少改善されるかもしれませんが、それなら底面フィルターオンリーで十分な濾過が賄えてしまうのでお金をかけてまでやることに意味はありません。
ただ、外部フィルターのみの場合でも絶好調の時期はあるのでうまくやれる人はやれるとは思います。
ソイルの厚敷き
アマゾニアを新規で立ち上げる際、ソイルの厚さにより立ち上がるまでの期間が異なります。
厚く敷けば敷くほど有機物の溶出は長期間続きます。それに見合った濾過や換水を行わないといつまでも中途半端な期間が長く続き、立ち上がりきらないモヤモヤした水槽となってしまいます。
まとめ
現行のアマゾニアが発売される以前にアマゾニアⅡという物が販売されていました。
このアマゾニアⅡはロットによる水質の違いがあり当たりロットと外れロットが存在していたといわれています。
現在のニューアマゾニアに関しては僕の経験上ロット差はほぼ無いと思っています。
しかし、過去の情報から、もしかすると自分の買ってきたアマゾニアは外れロットかもしれない・・・と思う人も少なからずいるようです。
外れロットか確かめる方法は同じロットを使って複数の水槽を異なる方法で立ち上げることです。どのソイルにも言えることですが、同じように立ち上げてもすべての水槽がイコールコンディションにはなりません。もしその中に一つでもエビが殖える水槽があればそれはロットによる差ではなく立ち上げや維持などの飼育者のスキルによるものです。
立ち上げ方や換水の頻度、個体数や水槽内の水草などでも水槽の状態は左右されるのですが、うまく行かないとそのまましばらく様子見か、何かを足したりすると思います。
先人の知恵を借りるのも良いと思います。しかし、誰かがやっているのを同じようにやってみてダメだった場合は違うやり方をするのが一番の解決法で、考えるより先にやってみることが大切です。
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