ビーシュリンプに適した水温とは?夏冬を乗り切る温度管理のコツ

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ビーシュリンプの飼育で意外と見落とされがちなのが「水温管理」です。

水温が安定しないと、元気がなくなったり、最悪の場合は全滅してしまうことも。

この記事では、ビーシュリンプに適した水温を季節ごとに解説しながら、夏や冬を安全に乗り切るための具体的な温度管理のコツを紹介します。

10年以上の飼育経験をもとに、初心者でも実践しやすい方法をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

目次

ビーシュリンプにとって理想的な水温とは?

ビーシュリンプを健康に育てるうえで「水温管理」は欠かせないポイントです。

特に22〜25℃の範囲は、彼らにとって最も快適な“適温ゾーン”とされています。

もちろん、多少前後する水温でもすぐに問題が起こるわけではありませんが、限度を超えると体調を崩したり、最悪の場合★(死亡)に至ることも。

では、適温を外れると具体的にどんなリスクがあるのでしょうか?

以下に大まかな水温ごとの影響を表にまとめましたので、確認しながら解説していきます。

ビーシュリンプの適温チェック表

水温(℃) 判定 備考
15℃以下 危険 活動低下・餌を食べない・最悪の場合★になることも
15~20℃ 注意 生命維持は可能だが代謝が落ちる・繁殖も行わない
20~23℃ 成長速度は緩やかで繁殖はしにくいが、健康状態は安定しやすい
23~25℃ 良好 活動・繁殖ともに安定する最適ゾーン
25~28℃ 注意 代謝が上がり活動は活発化・成長速度も上がり繁殖も行うが個体への負担が大きい
28℃以上 危険 酸欠・急死の可能性あり。直ちに温度対策が必要

20℃以下

20℃以下でも直ちに生命に直結することはなく、状態を維持することはできます。

ただし、長期間20℃以下の状態を続けていくと、著しく成長速度が落ちます。

平均寿命より短い期間しか生きられない個体も出てくるでしょう。

25℃以上

25℃程度なら問題なく飼育・繁殖が可能です。

調子の良い水槽なら、28℃を超える場合でも数日程度の短期間であれば何とか凌ぐことは可能です。

しかし、調子の悪い水槽の場合は、数日でほぼ全滅するでしょう。

季節別|夏と冬の水温管理のコツ

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ビーシュリンプは水温の変化に敏感な生き物です。

特に夏と冬のように外気温が極端になる季節は、水槽内の温度管理が重要になります。

水温が低い場合はヒーターを使って温められますが、問題なのは夏の暑さですよね。

水温が高いと、水中の酸素濃度が下がりやすく、シュリンプたちが弱ってしまう原因にもなります。

ここでは、ビーシュリンプにとって最適な水温を保つために、それぞれの時期に注意すべきポイントや、効果的な対策方法を紹介していきます。

冬の低水温時期の注意点

冬の寒い時期は室内の温度も低いので、水槽の温度も低くなります。

基本的には水槽用のヒーターを使って水温を管理します。

北海道では冬でも室内の温度が高い傾向にありますが、北海道以外の地域では室内の気温が低いことが多いので、室内の気温が15℃を下回ることがある場合は注意が必要です。

適切な水温をキープするサーモスタット付きのヒーターを使用する

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冬の寒い季節は、水温が下がりすぎないようにサーモスタット付きのヒーターを使用しましょう。

45㎝以上の水槽は温度調節機能付きのヒーターがおすすめ

30㎝などの小型水槽は23℃固定式のメダカ用ヒーターが便利

室温が低い場合の注意点

本来冬は繁殖にはあまり向かない時期なので、状態維持をメインに管理していくと良いですが、この時期でも積極的に繁殖させたいという人も多いと思います。

水温以外にも気を付けること

単純に水温を上げれば大丈夫ということではなく、ヒーターで水温を管理していても低床やフィルター内まで温度が上がりきらず、バクテリアの活動に影響することがあります。

バクテリアの活性を優先させる

室温が低くバクテリアの活性が下がっている状態で水温を上げると、水温を上げたことによって、元気の良いシュリンプたちが、モリモリ食べてたくさんのウンチをしてしまうことになります。

それにより、シュリンプから出る排泄物を処理するバクテリアの活動が追い付かず、濾過能力が落ちることがあります。

この場合、室温を常時20~25℃で維持して水槽内の温度の変動を極力少なくするか、ヒーターを使って通常より少し高めの25℃程度の水温に設定すると良いす。

夏の高水温時期の注意点

ビーシュリンプは、どちらかというと低水温には割と強いですが、高水温にはめっぽう弱い生き物なので、冬よりも夏をどう乗り切るかがうまく飼育をするコツと言えます。

高水温でエビが弱る理由

水温が高くなると水中の飽和溶存酸素量が少なくなります。

これは、酸素が水中に溶け込みにくくなるのではなく、溶け込める量の上限が低くなるということです。

以下、1気圧下での水温20〜35℃における飽和溶存酸素量(mg/L)の一覧表(参考値)です。

水温(℃) 飽和溶存酸素量(mg/L)
20 8.97
21 8.79
22 8.62
23 8.45
24 8.29
25 8.13
26 7.97
27 7.82
28 7.68
29 7.53
30 7.39
31 7.25
32 7.11
33 6.98
34 6.84
35 6.70

エアレーションが大切

水温が高くなると、水に溶ける酸素の量は少なくなります。つまり、どれだけ強くエアレーションしても、水温が高いままだと酸素の上限量は下がってしまいます。

さらに高水温では、水中のバクテリアの活動が活発になり、酸素をどんどん消費します。

そのため、水温が高いときにエアレーションを強めるのは、バクテリアによる酸素消費を補うためでもあります。

とはいえ、水温が高いままでは十分な酸素を供給できない可能性があります。ですから、まずは水温を下げることが最も重要です。

そのうえでエアレーションを強めると、より効果的です。

水温を安定させるためにできること

季節に関係なく、水槽の水温は外気温に左右されます。

エアコンなどで室温をできるだけ一定に保つことが望ましいですが、経済的な面でもそれは中々難しいものですよね。

水温は、上げるよりも下げることが難しいので、ここでは、水温が上がりすぎないようにするための対策を紹介します。

室内の換気

密閉した室内は、外気温以外にも各機材から発する排気熱などにより熱がこもりやすく、温度が上がりやすくなります。

その場合は、窓を開けるなどして換気したいところですが、外気温が30℃を超えるような場合は、湿度を下げることはできても温度自体を下げることは難しいです。

特にマンションなどのコンクリート製の住宅などは、室内にある換気扇などをすべて稼働させ、強制的に中の空気を排出させる強制換気を行うと効果が高いです。

照明の点灯時間を調節する

外気温以外で一番水温を上げる原因は照明です。

「長く観賞していたいので12時間つけています」・・・という方は少ないと思いますが、一日3~4時間もつけていればエビは健康に生きていけます。

タイマー制御で一日の点灯時間を自動管理するととても楽ですし、規則正しい生活が健康に良いのは人間だけではなくエビも一緒ですからね。

水温に影響しないフィルターを使用する

水温に直接影響しないフィルターは、底面フィルターやスポンジフィルターなどのエアリフト式のフィルターです。

ただし、60㎝以上の水槽では最低でも煙突は二つあった方が良く、別売りのパイプセットで容易に増設が可能です。

水温に影響するフィルター

電源のある外部フィルターや上部フィルター、水中モーター式の濾過などは、モーターの熱で水温が上がりやすいです。

とはいえ、外部フィルターはやはりビーシュリンプ飼育ではかなり重宝するフィルターでもあります。

メガパワーは要注意

特にジェックスのメガパワーシリーズは、従来の外部フィルターのように濾過槽にモーターヘッドを取り付けるのではなく、水槽内に水中モーターを取り付けるシステムなので、かなり水温に影響してきます。

緊急性が高い場合の有効な対処法

水温が28度を超えるとビーシュリンプの生命維持に関わってくるため、何も対処しない場合は悲しい現実が待っています。

「だけど、具体的にどのようなことをすれば良いの?」

そう思っている人も多いと思います。

ここでは、誰でもできる簡単に水温を下げる方法を紹介します。

水槽にファンを取り付ける

夏の暑さ対策の最もシンプルな方法の一つとして、水面に風を当てて水が蒸発する気化熱を利用して水温を下げる方法です。

水温を下げるファンはかなり古くから商品化されていて、各メーカーから様々な製品が発売されています。

テトラクールファン

今までいろいろ使ってきましたが、専用のものだとテトラのクールファンが一番使いやすく丈夫で効果も高いです。

セッティングの方法は、水面に垂直に風が当たる様にするのが一番効果があります。

水温27℃程度だと、25℃以下に下げてくれます。

ただし、気化熱を利用して水温を下げるので、水槽の水の蒸発が激しく、足し水や換水はこまめに行う必要があります。

スペック的に60cm水槽で1セットがちょうど良いですが、二つのファンをある程度離して使えるので、小型水槽だと一つの電源で二つの水槽を冷やすことができます。

サーモスタット付きファン

サーモスタット付きの便利なタイプもありますが、真夏に使用する分には水温が下がりすぎる心配はありません。

冷しすぎを心配してサーモスタット付きを購入する人もいるようですが、25℃の水温が3~4℃程度下がったところでエビにとってはノーダメージです。

元が20℃程度の水温ではファンを使う必要もないでしょう。

水槽用クーラーの効果

水槽用のクーラーは、効果的に水温を一定に保ってくれる便利なアイテムですが、水温を下げる代わりに熱を排出します。

これにより、水槽の温度自体は下がりますが、排気熱により室内の気温も高くなります。

部屋の気温が高くなれば水槽の水も温められて無限ループとなるため、この排気熱をうまく処理できれば最も効果的な水温対策と言えるでしょう。

強制冷却

仕事から帰ってきてビーシュリンプ水槽の様子を見るとエビが水面近くに集まっている?

水温29℃以上・・・これはかなり危険信号です。

今すぐ冷やさないと大量死に繋がる事態です。

外部フィルターごと冷やす

裏技的なネタですが、大きめの発泡スチロール箱にビニールを被せ、中に氷水を入れて外部フィルターのフィルターケースごと冷やしてしまう方法です。

蓋にホースを通せる穴を開けて加工すれば、半日以上は持つので、予防策としても使える方法です。

氷を使う

最も早く水温を下げる方法は、冷たい水で換水することですが、急激な水質の変化は、ビーシュリンプへの負担も大きく、特に調子のよくない水槽だと躊躇してしまいますよね。

その場合は、凍ったペットボトルを水槽にドボンしちゃいます。

これはやっちゃダメ・・・ではありません。

かなりの荒業ですが、水質も変わらず直接冷たい水を入れるよりは緩やかに水温が下がっていきます。

1時間で2~3℃を目安に下げていきましょう。

ビーシュリンプ水槽水温対策まとめ

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今回は、ビーシュリンプの水温管理について簡単にできる方法をまとめてみました。

水温は、上げることよりも下げることが難しいので、特に水温を下げる方法を中心に解説しました。

基本的に、調子の良い水槽よりも調子の悪い水槽の方が高水温による悪影響が大きいので、水質の維持管理と並行して対策してもらうことが最も安全に夏を乗り越える方法です。

暑くなってからは体力的にもきついので、夏本番前に重点的なメンテナンスや、立ち上げ直しなどを行って、大切なシュリンプたちを暑さや寒さから守ってあげましょう!

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