黒ひげ状の苔は水草水槽に良く出てきて景観を悪くするイメージですが、もちろんビーシュリンプ水槽にも発生します。
この黒ひげ苔は紅藻類の一種で、海苔などの海藻に近い植物なのでかなり頑固な苔ですから早め早めの対処が肝心です。
実際に我が家で発生している苔を撮影してみました。緑っぽい色や赤みがかった色など様々ですが、淡水だけでもこの紅藻類は数百種類存在するそうです。
この苔がエビに対して何か悪さをすることは無いのですが、景観が乱れるのはもちろんどこかで何かしらの水質変化が起こっているのかもしれないので、今後水槽の調子が崩れるのではないかと心配になったりもしますよね。
紅藻類の発生原因
この黒ひげ状の苔は主にリン酸塩が原因で、植物が成長するために必要な、チッソ・リン酸・カリウムの三大栄養素の一つです。
水槽内で生き物を飼育している以上リン酸塩は必ず発生しますし、水草が吸収できる量よりリン酸塩の発生量の方がはるかに多くなるのでどうしても過剰になってしまします。
換水と生物兵器(ヤマトヌマエビなど)で多少減らすことはできるかもしれませんが、過度な換水は生体へのダメージにも繋がるので難しい課題ではあります。
個人的には外部フィルターを設置している水槽に発生しやすいと思います。外部フィルターの水流を絞って弱くすると発生しにくいことから、おそらく水流の強さに関係しているものと思われます。
発生しやすい場所
黒ひげ苔は死んでいるもの(生きていないもの)に発生することが多く、石や流木、パイプやエアチューブなど動きの無いものに発生しやすく、成長の遅い水草にも発生しますしもちろんソイルにも発生します。
予防法
黒ひげ苔を発生させない方法はまず無いと言ってもいいでしょう。ただ、生えにくい状態を作ることはできます。
なるべく水流は弱く、エビが元気な状態を維持する。エビが元気な水槽は黒ひげ苔が生えても生え始めの柔らかい状態の時はある程度食べてくれます。
苔が発生したら定期的に手で取る。
餌を与えすぎない。
過度な照明を避ける。
本来ならば発生する原因を排除することが望ましいのですが、エビをメインに飼育しているとあまり水槽内をいじるのは気が引けます。
駆除方法
パイプ類や石や流木であれば取り出して70℃程度のお湯に30分もつければ枯れて白くなるのでそのまま水槽に戻せばエビがきれいに食べてくれます。
漂白剤などの薬品でも駆除できますが、中和しないと戻せない上、中和が足りないとエビへのダメージとなります。不浸透性の物以外には使えませんし(流木やソイルは浸透性)水草に使用すると間違いなく枯れます。水槽のリセット時ならともかく、できる事なら使わない方が良いと思います。
水草に発生してしまった場合は成長の速い水草ならトリミングして捨ててしまった方が良いですが、アヌビアスなどの極端に成長の遅い水草は木酢液などで駆除できます。
ただ、木酢液は強酸性な上、物によってはエビに害となる場合もあるのでしっかりと洗浄してから水槽に戻す必要があります。(ADAから出ているフィトンギットは使用後洗浄すれば安全)
一番安全なのは、先にある程度てでむしり取っておいてしばらく餌を与えていないエビに嫌々食べさせる方法ですが、これも相当数のエビが必要なのであまり現実的とは言えません。たくさんエビのストックがある人は試してみると良いかと思います。
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