シャドーシュリンプの飼育法


シャドーシュリンプはビーシュリンプと比べて比較的歴史の浅い品種のエビです。

初めは台湾から輸入されたそうで当時は繁殖どころか飼育すら難しかったそうですが、その中でも熱心なブリーダーが少しずつ殖やしてきた子孫が現在流通している個体の大半となります。

道産子海老も2011年から飼育に挑戦し幾度となく失敗を繰り返しながら少しずつ少しずつ殖やして今に至る訳なんですが、まずはシャドーシュリンプの種類について少し書いていこうと思います。

シャドーシュリンプにも様々な柄があり、柄が全くない単色のフルブラックから背中の一部分に白地が乗るキングコング、この辺りからビーと近縁種だと理解できるバンドのはっきりしたパンダ模様やモスラなど、表現が豊かな品種で今でも人気が高いのは納得ができると思います。それに加えてターコイズシャドーという単色で鮮やかなブルーに身を纏った自然界には絶対に存在しないであろう奇抜なエビも存在します。

一見シャドーシュリンプとは違う品種に見えますがこれも立派なシャドーシュリンプです。ビーシュリンプでいうスノーホワイトの位置づけとされていて、ビーシュリンプだとあまり好まれないかわいそうな立場なんですが、シャドーに関してはこの奇抜なカラーで非常に人気の高い位置を獲得した稀なケースだと言えるでしょう。

また、ブラックの他にレッドシャドーもあり、柄については同等なのですが、個人的な見解ではターコイズ柄に関しては少し残念な産物と言えます。

この記事を読んでくださっている方は他にもシャドーについて色々と調べてきた方も多いと思いますが、Googleなどで表示されているサイトの中には適当に解説しているサイトも少なくはありません。全てが間違っているとは言いませんが本当に自分で飼育したデータから情報を発信しているの?と疑いたくなるような記事も見受けられ長年ブリードしてきた人間からすると本当に残念だと思います。他人の悪口は言わない主義ですが、確信の持てる情報を発信してほしいと切に願います。

それでは本題の飼育法に移ります。

目次

シャドーシュリンプは体質が弱いシュリンプ

シャドーシュリンプは、普段良く見るビーシュリンプから比べると体質が弱くデリケートなエビです。また、体長も小さく一度の抱卵数もビーに比べて少ない傾向にあります。

水質に関してはビーと大差なく飼育できることはできるのですが、どちらかというと古いこなれた水で尚且つきれいな水を好みます。そして一番のポイントは水の総高度(GH)です。

こなれた水とは?

古いこなれた水とは、立ち上げてから安定期に入りしっかりと濾過が効いた安定した水質を言います。それには長期維持できる栄養系ソイルがお奨めなんですが、吸着系ソイルでも殖やせる人は殖やすので好みで選んで良いかと思います。

水中の総硬度がポイント

GHについては入手先の水質を参考にされると良いかと思いますが、最低でも2~3くらいにはしておいた方が脱皮不全のリスクは避けられます。脱皮不全とは、脱皮の際殻の一部が体に残ってしまい弱ってしまうケースで死亡率はかなり高いです。

TDSはあくまで参考値

ちなみにTDS(水中の不純物濃度)に関してはこのくらいが良いなどと書いている飼育者がいますが、全く参考にならないので鵜呑みにはしない方が良いです。なぜなら、使用する元水は水道水にしろ湧水にしろ地域によってバラバラだからです。

元水がTDS150の地域の人が250くらいが良いよと言ってるのを、元水TDS50の人がTDS250まで上げるとそりゃ大変なことが起きてしまいます。(実際それほど大変なことは起きませんが、急激な水質変化はリスクが伴います)

体質の強い血統を自分で作る

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体質が強いシャドーを比較的簡単に量産できるシャドーとビーを掛けてハイブリッドを作出する方法もあります。

オスのシャドーとメスのビーシュリンプを掛ける方法で、F1の時点では生まれた子は全てビーシュリンプ柄で生まれるのですが、生まれた子の中に同じビーシュリンプ柄でもシャドーの遺伝子を持ったハイブリッドが出現します。そのシャドーの遺伝子を持った子同士を掛けることによってシャドー柄のシャドーが出現するというものです。

ハイブリッドといっても見た目は全てビーシュリンプ柄ですから、見た目で判断することはできないので、生まれた子達を3~5世代ほど累代を重ねると突然シャドー柄の子が出現します。ハイブリッドからシャドーが出現する時は、抱卵個体で確認でき抱卵時に何粒か青黒い卵が出たら成功です。

シャドーシュリンプ水槽の我が家のデータ

ちなみに、我が家の水質は、(2015年のデータ)元水(水道水)TDS30~40 GH0 シャドー水槽(飼育水)TDS80~120 GH3~8 夏でも冷たく水道水がぶ飲みできる名水百選に選ばれた河川から来てる水です。

現在は全く計測していません。数値的なものはわかりませんがエビの調子だけで何が必要かほぼわかります。

体質的にどうしても弱いことから、新しく導入する際はどうしても落ちてしまうことがあるので、購入してくださった方には毎回お伝えしているのですが、導入時しっかりと水を作って残った個体が繁殖してくれさえすればその子供たちがたくさんの稚エビを生み出してくれるので根気よく飼育していくことが大切です。

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