「閲覧注意」ビーシュリンプのパッキング後の生存日数について禁断の実験を行いました

約4年ぶりにヤフオクでビーシュリンプを出品させていただきました。今回も落札者様のご協力のもと、スムーズにお取引きを終了することができ、その節は大変お世話になりありがとうございました。

一部、関西への発送が一件あり少し心配でしたが、無事に届いたようで落札者様も大変喜んでおられました。

当ブログで再三ビーシュリンプは案外丈夫でそんなに簡単に死ぬことはありませんと綴っておきながら、やはり生き物ですから、何度発送しても到着までは不安というのが本音といったところ。

発送には細心の注意を払って梱包を行っていますし、双方のスケジュールと輸送中の気象条件など、落札者様にとっては少々面倒な作業にはなりますが、タイミング調整にはかなり神経質に打ち合わせをさせていただいた上で発送しています。

死着の保証の有無に関しては、出品者側の一方的な条件にはなりますが、多くの出品者の方が提示しています。しかし、個人の勝手な意見にはなりますが、本来は死着はあってはならないと思っていますし、輸送のリスクが高い季節や距離によっては、出品しないまたは発送を断るというスタイルが正しいと思います。

では、ビーシュリンプの輸送はどのような条件だと危険なのか?また、どのくらいの日数までなら耐えられるのか?

これらについては、国内の輸送なら一部を除いて最長でも二日間でヤマト運輸さんが届けてくれますから、おそらくほとんどの方が知らないと思います。

そこで、今回はビーシュリンプはパッキング後どのくらいの期間生きていられるのかについて、実験を行ってみたのでこの記事にて報告します。

もしかしたらこの結果を公開することで色々と都合の悪いという方もいるかもしれませんが、真実をそのままお伝えします。

目次

ビーシュリンプのパッキング後の生存率の実験内容

ビーシュリンプをパッキングした状態でどのくらいの期間生きていられるのかについて実験を行いました。

実験期間は1週間。

実験した内容は以下の通りです。

  • 発送用のビニール袋を使用
  • 室内管理
  • 使用個体:レッドビーシュリンプ・ブラックファンシータイガーシュリンプ・ドラゴンサンライズシュリンプ・ヤマトヌマエビ

発送用フィッシュバッグSサイズを使用

ヤフオクで発送している時と全く同じ条件でパッキングしました。

使用している袋は多くの方が使用している一般的な熱帯魚用のパッキング袋で、飼育水と空気の割合は大体7:3で、足場に水草を入れている以外酸素などは一切入れていません。

室内で管理

6月上旬の北海道の住宅内での室温管理です。

保管は発泡スチロール箱などに入れず、使っていない空の水槽に立てて保管しました。

室温は最高値26℃・最低値19℃、水温は最高値26℃・最低値は21℃。

室内温度の計測はタニタ製を使用(8月の撮影のため表示されている気温は参考外)

水温計はテトラ製のメダカの浮かべるデジタル水温計を使用

使用個体

  • レッドビーシュリンプ×2袋
  • ブラックファンシータイガーシュリンプ×2袋
  • ドラゴンサンライズシュリンプ×1袋
  • ヤマトヌマエビ×1袋

ビーシュリンプとの違いがあるのかを検証するためにヤマトヌマエビでも実験を行いました。

ヤマトヌマエビ以外は全て袋内の個体を15匹ずつにしています。

レッドビーシュリンプとブラックファンシータイガーシュリンプについては、水槽を二つに分けて飼育していたため、袋が二つになっています。

実験結果

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ほぼ予想通りの結果となりました。

  • レッドビーシュリンプA:4日目で15匹内11匹死亡
  • レッドビーシュリンプB:1週間後15匹内全個体生存
  • ブラックファンシータイガーシュリンプA:1週間後全個体生存
  • ブラックファンシータイガーシュリンプB:1週間後全個体生存
  • ドラゴンサンライズシュリンプ:1週間後全個体生存
  • ヤマトヌマエビ:1週間後5匹中1匹死亡

レッドビーシュリンプAの検証

レッドビーシュリンプAは調子の悪い水槽からパッキングした個体で、翌日には数匹の死亡が確認されました。

本来であれば1匹でも死亡が確認された時点で実験を中止すべきでしたが、この結果が役立つ人が必ずいると思ったので実験を続行しました。結果的に4日目で精神的に限界となったためやむなく中止としました。

元の水槽には戻さず、調子の良い水槽でサテライトに入れて様子を見ましたが、最終的に2匹しか残りませんでした。

レッドビーシュリンプBの検証

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レッドビーシュリンプAの水槽よりは調子の良い水槽でしたが、絶好調という状態ではなく頻繁なメンテナンスが必要な状態の水槽でした。パッキング後1匹も落ちずに1週間無事に耐えてくれました。

ブラックファンシータイガーシュリンプAの検証

絶好調の水槽で特に心配する状態ではなく、1週間後袋の中で水草を懸命にツマツマしているほど元気でした。

ブラックファンシータイガーシュリンプBの検証

ブラックファンシータイガーシュリンプA同様、絶好調の水槽で、1週間後も非常に元気な状態でメスが1匹抱卵していました。

ドラゴンサンライズシュリンプ

絶好調とまでは行かなくも、もう少しでスイッチが入りそうな状態の水槽からの個体です。結果的に全個体無事でしたが、あまり状態が良いとは言えず、水槽に戻してからも活性が上がらず1匹死亡しました。パッキングとの因果関係は何とも言えない状況で原因不明ということにしておきます。

ヤマトヌマエビ

5匹中1匹死亡。新規水槽の立ち上げ時に使ったりCO2をガンガン添加している水草水槽でかなり酷使してきた個体のせいもあり、体色も透明感がなく濁りが出ていたりとあまり状態の良い個体ではありませんでしたが、ヤマトヌマエビの生命力には驚かされました。

実験結果についての検証

実験の結果、状態の良い水槽のビーシュリンプは、袋に入れたままの状態でも1週間は平気で生きていられることがわかりました。

しかし、実験する環境によってはかなり違う結果となることも予想した上で、今回の検証結果に基づいた意見を述べたいと思います。

状態の悪い水槽の個体は数日で全滅する

状態の悪い水槽の個体は翌日にはすでに死亡している個体がいたことから、4日目で実験を中止した袋は開封時に水の匂いがきつく、かなり水質が悪かったことが予想されます。状態の悪い水槽内の個体を発送することはかなり高いリスクを生じることがわかりました。

状態の良い水槽の個体は1週間程度では何の問題も発生しない

状態の良い水槽の個体は1週間程度ではびくともせず、水槽に戻してすぐに餌に群がるほどの高活性でした。もしかしたら1ヶ月くらい大丈夫なのでは?と思うほど元気です。

袋内の水草の呼吸による酸欠のリスク

袋内の水草はウィローモス・ボルビティス・ミクロソリウムなどの陰性水草中心に入れていました。

光合成を行わない夜間の水草の呼吸による酸欠のリスクを問題視されている記事がありますが、ウィローモス・ボルビティス・ミクロソリウムなどの陰性水草程度の呼吸では、1週間のパッキング程度では酸欠のリスクは皆無といって良いかもしれません。

ビーシュリンプの発送リスクとパッキング後の生存日数についての総評

結構残酷な実験をしたと今さらながら反省していますが、今回の実験に使用して生き残った個体は全て水槽に戻し、問題なく管理しています。

この実験結果は、ネット通販やヤフオクなどで取引きする方々に必ず役立つ内容だと思います。

特にヤフオクなどで多い死着のトラブルにおいては、落札者側だけを擁護するだけでなく、双方がトラブルのリスクを避けるためにも非常に参考になる情報かと思います。

取引の履歴に死着のトラブルが多い出品者は、仮に死着がなかったとしても良い状態の個体が届くとは限りません。批判を覚悟で言うと、長くても二日程度の輸送で死着が起こるということは、普段から水槽の状態を把握していないか、季節や天候など無理な条件でもお構いなしに発送しているということになります。

出品者側の立場で言えば、絶好調の水槽から掬った個体であれば、季節などの輸送条件さえ気を付けていれば100%死亡することはないので、本来死着保証は必要なく、保証の旨を記載している出品者の厚意によるもの言えます。

とはいえ、生体だけでなく飼育水に含まれるバクテリアなどにも少なからず影響があるため、発送も受け取りも最短日数で行う方が良いということだけは付け加えておきます。

最後に、トラブルを最小限に減らすための対策をおさらいします。

出品者側

  • 真夏や真冬の輸送リスクの高い時期の取引を避ける
  • パッキングする個体は少なければ少ないほどリスクが低い
  • 絶好調の水槽以外の出品を避ける

落札者側

  • 真夏や真冬の輸送リスクの高い時期の取引を避ける
  • 死着の多い出品者との取引を避ける
  • 導入する水槽をしっかり立ち上げておく

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