「ビーシュリンプの移動」失敗しないビーシュリンプの水合わせの方法を伝授

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ビーシュリンプは繊細で水質などの環境変化に弱い生き物です。

というのは半分本当で半分嘘です。

確かに一般的な熱帯魚に比べて繊細で、ちょっとしたことでもすぐに死んでしまうところもありますが、水質の変化には意外と強く、少しくらいのphや水温の変化程度ではへこたれたりしません。

ビーシュリンプは、割と水質の変化に対する適応能力は高く、水質が合わないとヒレが溶けたり白点が出たりする熱帯魚と比べても、失敗が少ない生き物です。

では、どうして水合わせが上手くいかずに死んでしまう個体がいるのでしょうか。

この記事では、失敗しないビーシュリンプの水合わせの方法を解説していきます。

目次

ビーシュリンプの水質の適応範囲は広い

ビーシュリンプを長く飼育している方は知っていると思いますが、換水すると脱皮をする個体が多いですよね。

ビーシュリンプは、環境が変わると脱皮をすることが多く、脱皮をすることで新たな水質に対してうまく適応していると考えられます。

特にphの変化にはある程度耐性があり、条件がよければアルカリ寄りの水質でも普通に繁殖します。

とはいえ、水質そのものが悪いなどの劣悪な環境下では、ほんの少しの変化でも死亡してしまう生き物でもあります。

ビーシュリンプの水合わせはエベレストやキリマンジャロの登山と一緒

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ビーシュリンプの水合わせは、エベレストやキリマンジャロなどの高い山に登るのとよく似ていて、少しずつ環境の変化に慣れるため、登ってから一度ベースキャンプに下りてきて体制を整えるために仮眠などの数時間の休憩後、一気に登頂します。

ビーシュリンプの水合わせの環境も、元の水に新しい水を少しずつ入れて環境の変化に慣れさせていきますが、水質の違いが大きければ大きいほど個体への負担は大きくなります。

ただし、登山と違って頂上の環境は、飼育者である人間がコントロールできるので、いかに適切な環境で迎え入れてあげることが、今後の生存率に直結します。

水合わせ後は頂上で生きていかなければならない

登山でいうと、登頂後はなるべく早めにベースキャンプに戻ってきて元の環境に戻してから下山しますが、ビーシュリンプの水合わせはそのまま頂上で生活しなければならないので、より適切な環境がなければ生きていくことができません。

水合わせに半日以上かけても死んでしまったなどという話も時々聞きます。

しかし、それは環境の変化に慣れることができなかったということではなく、引っ越し先の環境があまりにも過酷すぎて適応すらできなかったということが大半です。

水合わせの前からダメージがあった

エベレストを登るには、体力や体調を整えておかなければ途中で断念するか場合によっては死亡することもあります。

もちろん、ビーシュリンプも同じように輸送中のダメージや導入元の状態が悪かったなど、水合わせ前からの問題もあります。

とはいえ、水合わせで毎回全滅するくらい弱い生き物なら繁殖どころか流通もしないでしょう。

ですから、購入元の個体に問題があったとしても、減ってしまっても全滅さえしなければ、残った個体から殖やして爆殖させることは充分に可能です。

水合わせ自体の注意点はそれほど多くない

ビーシュリンプの水合わせの注意点はそれほど多くなく、水質の違いよりも水温の違いに注意した方が良いでしょう。

水質については、導入元の水質と導入先の水質をまったく同じにすることは不可能ですし同じにする必要もありません。

導入する水槽の水がしっかりできていれば、それほど水合わせに時間をかけなくてもかまいません。

水合わせの方法

エアチューブを使った点滴法が一般的です。

便利な水合わせキットも販売されていますが、この程度のものであれば簡単に自作できるのでわざわざ購入する必要はありません。

その他、サテライトを利用した水合わせもよく使われている方法ですが、外部からの水を自分の水槽に入れるとプラナリアやゲジなどの害虫の混入の恐れもあるので、心配な方は点滴法を利用するといいでしょう。

水合わせ時間の目安

元々ビーシュリンプが元気で爆殖しているような水槽なら、長い時間をかけて水合わせをするよりも2~3時間程度で済ませてしまった方が個体への負担が少なくなることが多いです。

長い距離を移動してきた上、小さな袋の中では環境変化も激しいので、少しでも早く良い環境の水槽に入れてあげた方がいいでしょう。

水質の計測

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他所から導入する個体の飼育環境は、自分の飼育環境とは全くの別物であることが多いので、水質を計測するのも水合わせに失敗しない方法の一つです。

  • phの差
  • 水温の差
  • TDS値の差
  • GH値の差

水温に関しては袋ごと水槽の温度に合わせることで容易に合わせることができます。

特に真夏や真冬など、袋の中の水温と水槽の水温に大きな差がある場合は、水合わせの前に水温合わせをした方が良いでしょう。

phに関しては7.0以下の酸性下(できれば6.5以下)であれば多少の違いは問題にならないので、通常の水合わせで問題が起こることはそれほど多くはありません。

TDSについては水の中の不純物の他にミネラルなどの硬度も関係してくるので、GHと合わせて計測してみるのもより安全に水合わせを行う方法の一つといえます。

エビの種類や血統の違いによっても若干の違いがある

殖えすぎて困るくらいに調子の良い水槽なら、多少乱暴な水合わせを行っても死ぬことはほとんどありませんが、エビの種類や血統によっても違いはあって、グレードの高い個体であればあるほど神経質な傾向があるのは確かです。

また、レッドビーやブラックビーなどのノーマル腫に比べて、シャドー系やタイガー系などの新種系の個体に関しては若干適応範囲は狭い傾向にあります。

水合わせよりも環境のいい水槽に導入することが大事

ビーシュリンプは繊細で水質などの環境変化に弱い生き物というのは、半分本当で半分嘘ですと冒頭に書いた理由は、「水質の変化」ではなく「水質の悪化」に弱いというところからです。

確かに、水質の違う環境に移動させると死んでしまう個体もいますが、水質の変化で死ぬというよりも、悪い環境に移動したことが死亡する原因の大半といえるでしょう。

非常に残酷な結論ですが、ビーシュリンプというエビは、ブリーダーが長年に渡りコツコツと累代を重ねてきた個体を、違う人が新たに立ち上げた水槽に入れてすぐに元気に繁殖するような簡単な生き物ではありません。

ですが、全滅さえ防ぐことができれば、時間はかかっても繁殖していきます。

そこから何世代か世代交代を繰り返していき、自分の水槽に馴染んでくるととどんどん殖えるようになります。

そのようなことから、我が家の場合は水槽間の移動の際は水合わせも行わず、網で掬ってポイっと入れてしまうことが多いという理由になるのですが、新たに購入した個体に関しては必ず調子の良い水槽で1~2時間ほど水合わせを行ってから導入しています。

よって、空きがなくやむを得ず調子の良くない水槽で水合わせを行いそのまま飼育すると、やはり数カ月で全滅してしまうこともあります。

ビーシュリンプの水合わせに失敗しないためには「いかに良い環境でお迎えができるか」が最も重要で、万が一全滅してしまった場合は、個体の状態や水合わせの方法よりも、まずは自分の水槽の環境を疑いしっかり対策してから次のお迎えをすると、かなりの確率で失敗を防ぐことができます。

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