「ビーシュリンプ水槽」立ち上がりの目安と苔の関係性

ビーシュリンプ水槽の立ち上げの目安として、多くの人が苔の種類や出かたを目安にしています。

アクアリウムの基礎知識として、水槽を立ち上げ濾過を回すと自然にバクテリアが繁殖しはじめて有害物質をきれいにしてくれるといわれていますが、それは目に見えないレベルでの話しであって計測器などの機械がある訳ではなく、基本的には目視での確認となります。

具体的にどのような部分で判断材料としているのかを書いていきたいと思います。

目次

水質が不安定な立ち上げ初期は珪藻が出やすい

水槽を立ち上げてしばらくすると、苔が生えてきたという経験をした方が多いと思いますが、最初は茶色い苔がガラス面や流木などに生えてきます。

この茶苔は珪藻と言って、地球上のどこにでも存在していて、活発に光合成を行うことが知られていますが、地球上の酸素の約25%を珪藻が放出しているといわれています。

珪藻は光合成を行うことで硝酸塩を吸収し、酸素を放出しながら増殖していきます。

よって、硝酸塩は、立ち上げ初期に発生するアンモニアや亜硝酸がバクテリアの働きによって分解された最終副産物で、生体にとって有害なアンモニアと亜硝酸が処理され、水質が安定に向かっている目安となります。

珪藻は濾過が安定すると出にくくなる

広告

立ち上げ初期はアンモニアや亜硝酸が多く発生するため硝酸塩も比例して増えていきますが、水槽内では時間の経過とともに生態系ができあがっていき徐々に安定していきます。

硝酸塩は植物性プランクトンの働きによって少しずつ消化されていくのですが、その処理量は微々たるものです。

自然界では、通性嫌気性微生物の働きによって活発に処理される脱室が行われるのですが、そのメカニズムは複雑で、一般のアクアリウムでは現実的な処理方法とはいえず、リスクも大きいため、換水による排出や水草に吸収させる方法が取られます。

この時点で換水をサボると、飽和した硝酸塩を茶苔が利用してしまい、いつまでも茶苔の消えないどんよりとした水槽になってしまうため、エビの活性も悪く中々殖えてくれないといった状況となってしまうのです。

濾過の安定と水草

茶苔を清掃し換水を続けていくと、やがて緑色の明るい色の苔がガラス面に生えてきます。この緑色の苔が生えてきたころには、バクテリアのバランスも取れてかなり安定した水質となります。

ただ、これには適度な光とCO2が必要となるので照明が重要になってきます。

CO2は水に溶けやすい性質があるため、水草レイアウトなど、大量の水草を植栽している水槽に対しては強制添加などの方法が取られますが、ビーシュリンプ水槽に使う水草程度の量であれば、エアレーションなどで自然に溶け込む量で十分間に合うため、照明さえあれば自然に苔が生えていきます。

珪藻が消え緑藻が増えてくる頃には、植物性プランクトンを餌とする動物性プランクトンの働きも活発になっていき、地球上に存在する生態系と似たようなサイクルが出来上がっていきます。

この動物性プランクトンは複数あるのですが、目に見えるものの代表として主にミジンコが挙げられます。

植物性プランクトンは動物性プランクトンの餌となり、動物性プランクトンはビーシュリンプの餌となり、初めて水槽内に生態系が出来上がったといえます。

この動物性プランクトンの働きがビーシュリンプ飼育にとって最重要と言っても過言ではありませんが、ミジンコだけが目安となることではないのでミジンコが発生しないからといって問題視する必要はありません。

広告

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人



コメント

コメントする

目次