ビーシュリンプは個体のサイズが小さい割に大食漢で水を汚しやすい生き物なので、水槽に使用する濾過フィルターは能力が高いものを使用したいですよね。
ですが、水槽のサイズや形によっては使用できない濾過フィルターもありますし、使用できても単体では能力が足りないなどといった悩みを抱える人もいるのではないでしょうか。
ここでは水槽サイズ別に適した濾過フィルターの種類を解説していきます。
水槽サイズ別おすすめの濾過フィルターの選択
水槽サイズ(㎝) フィルターの種類 |
30 | 45 | 60 | 90 | 120 |
外部フィルター | × | △ | ◎ | ◎ | ◎ |
上部フィルター | × | △ | △ | △ | △ |
底面フィルター | ◎ | ◎ | 〇 | △ | × |
流動式フィルター | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
外掛け式フィルター | 〇 | △ | × | × | × |
水槽のサイズによってフィルターも適不適があるので簡単な表にしてみました。
外部フィルター
外部フィルターは濾過能力も高く水槽サイズも選ばないので万能選手と言いたいところですが、小型水槽では濾過能力云々よりもコスパ的な面で×です。
上部フィルター
上部フィルターも濾過能力は高くメンテナンスもしやすいのですが、水槽上部の半分近くを埋めてしまい水槽内のメンテナンスに支障が出るのであえて△が多い評価にしています。
底面フィルター
底面フィルターも万能ですが、水槽のサイズが上がれば設置台数も増やす必要がありますし、稼働させるエアポンプのパワーも必要になってきます。
流動式フィルター
流動式フィルターについては物理濾過が無いので大食漢なエビには向かないと判断したいところですが、濾過能力の高さでは断トツなのでこのような評価としています。
外掛け式フィルター
外掛け式フィルターは濾過能力不足でお勧めできませんが、水槽サイズよりオーバースペックのものを使用し、濾過槽にリング式やペレット式のろ材を入れたりなどの加工を行えば、45㎝未満の水槽なら維持できます。
その他のフィルター
投げ込み式やスポンジフィルターなど、この表以外にもフィルターの種類はありますが、単体で使うには難易度が高く、サブ的な使用が最適です。
水槽サイズ別で選択する濾過フィルターの解説
水槽のサイズによっては適した濾過方法が異なる場合も多いので、一般的な規格水槽でそれぞれ解説していきます。
30㎝水槽
- サイズ:幅31.5×奥行18.5×高さ24.4cm
- 水量:約12Ⅼ
フチなしのオールガラス水槽はもう少し水量が多めですが、違いは微々たるものなので同等として解説します。
結論からいうと、このサイズの水槽に設置する濾過フィルターはかなり限られていて、底面式濾過を使用するのがセオリーですが、事前に底板となるプレートのサイズを確認しないとプレートが大きすぎて設置できない場合もあるので、確認してから購入しましょう。
濾過能力に関しては底面フィルターで十分な効果がありますが、水量が少ない分水質の変化は早いので、流木や水草などの装飾品は少なめにシンプルなレイアウトにして、換水を早めにするなどの対処が必要です。
30㎝キューブ水槽
- サイズ:幅30×奥行30×高さ30cm
- 水量:約25Ⅼ
30㎝キューブ水槽はもう少し水量が多めで、約25Ⅼの水量がありますが、水槽サイズとしては小さめの部類に入ります。
上記の30㎝水槽と同様に底面フィルターをメインに使用し、水量が少し多い分サブに小型のスポンジフィルターなどを設置するとより安定感が増します。
小型水槽用の外部フィルターもありますが、外部フィルターはモーターの熱で水温が上がりやすいので小型水槽で使用するメリットはほぼありません。
45㎝水槽
- サイズ:幅45×奥行き30×高さ30㎝
- 水量:約35L
一般的な45㎝規格水槽で解説します。
45㎝水槽は設置できるフィルターの種類が増えるので自由度も高くなってきます。
上部フィルターの設置も可能になってきますが、上部フィルターは水槽上部を塞いでしまう形になるので、頻繁に網を入れたりするビーシュリンプ飼育にはお勧めしません。
また、観賞よりもブリードを優先させる場合には、縦置きにして複数並べる使用法を取るのにいいサイズなので、予算を抑えたいなら底面フィルターとサブにスポンジフィルターの組み合わせが最も適した方法です。
45㎝キューブ水槽
- サイズ:幅45×奥行き45×高さ45㎝
- 水量:約80L
ブリード用の水槽としてはかなり使い勝手のいいサイズの水槽ですが、高さが45㎝あるので省スペースでの複数設置は工夫が必要ですし、使用する濾過フィルターのサイズも大きめで能力の高いものが必要になってきます。
高さがある分、底面フィルターを使用する際は水位を下げて使うこともできますが、45㎝で水量を80Ⅼも使える水槽の強みを消してしまうので、水量を稼ぎつつ90㎝水槽用の外部フィルターなどを使用するのがおすすめです。
60㎝水槽
- サイズ:幅60×奥行き30×高さ36㎝
- 水量:約60L
昔からある一般的な水槽サイズで、フィルターやその他の付属品の種類も豊富にあるので、選択肢が一番多いサイズの水槽です。
ビーシュリンプ飼育にも最適なサイズで、適合するフィルターや照明なども豊富にあるので、初心者の方には最もおすすめできる水槽サイズです。
外部フィルターもよし、底面フィルターでもよし、大きさにも余裕があるのでサブフィルターなども設置しやすく自由度が高い水槽サイズです。
奥行きや高さ違いなどのバリエーションもあり、ワイドサイズなど水量が増える場合のメリットは大きいですが、逆に水量が減るようなスリムタイプの場合は、60㎝水槽を使用するメリットがないので、サイズを下げて45㎝水槽を選択した方がいい場合もあります。
90㎝水槽
- サイズ:幅90×奥行き45×高さ45㎝
- 水量:約157L
本格的にビーシュリンプのブリードに励む人には憧れのサイズの水槽ですが、水槽そのものの他、濾過フィルターや、照明などもかなりの大きさと金額になってきます。
また、立ち上げから安定するまでの期間は長い時間を要するので初心者向けとはいえませんが、上手くいっている時のエビの増え方は尋常じゃないので、飼育に慣れてきて本格的にブリードをしたい方にはおすすめできる水槽サイズです。
水量が100Ⅼを超えてくると、やはり外部フィルターなどの濾過能力の高いフィルターが有利になってきます。
オーバースペックの外部フィルターを単体で使用するよりも、底面フィルターやスポンジフィルターなど、別のフィルターをサブとして稼働させておくと、万が一外部フィルターの濾過能力が落ちてきてメンテナンスが必要になってきた場合でも、リスクを最小限にくメンテナンスができます。
90㎝水槽ほどの大きさになってくると観賞が目的となる要素も強く、多少のサイズ違いのバリエーションがあるものの、設置スペースや水量と濾過フィルターの能力で選択するのが良いでしょう。
120㎝水槽
- サイズ:幅120×奥行き45×高さ45㎝
- 水量:約223L
120㎝以上の水槽でビーシュリンプを飼育する人はあまり多くはないと思いますが、一度はやってみたい憧れの水槽です。設備に関してはそれぞれ単体で購入するとかなりの金額になるので、セットで購入すると良いでしょう。
メンテナンスのしやすさを考慮して、高さや奥行きを抑えたスリムタイプやロータイプのものなどを選択するのも良いと思います。
最も扱いやすく安定感が高いのは60㎝水槽に外部フィルターの組み合わせ
今回はビーシュリンプ飼育に使用する水槽のサイズと、それに合わせる濾過フィルターの種類について解説しました。
最終的にはそれぞれの飼育条件下での選択になると思いますが、小さすぎる水槽は気温など外部からの影響が大きいため、最低でも30㎝キューブ水槽以上の水量で始められると良いでしょう。
安定感が最も高いのは90㎝水槽ですが、立ち上げ機関やメンテナンスの大変さなどを考慮すると、60㎝が最もお勧めです。
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