ビーシュリンプを上手に飼育している人は、実は水草を育てるのも上手な人がが多いんですよね。
水草の根は濾過を助けるバクテリアの住処になりますし、水中に蓄積された余分な栄養分を吸収してくれる働きがあります。生い茂った葉はエビの休憩所になり、脱皮直後や生まれたての稚エビの隠れ家になります。
なので道産子海老はビーシュリンプ水槽には水草を入れることを推奨しています。
この機会にぜひビーシュリンプ水槽に水草を入れてみよう!
今回はそんなビーシュリンプ飼育に最適な水草を5種類厳選して解説します。
ビーシュリンプと相性の良いおススメの水草① ミクロソリウム
アジア・オセアニア・アフリカの亜熱帯から熱帯地域に生息するシダ系の水草です。
育成に強い光りやCO2を必要とせず成長も穏やかで非常に扱いやすい人気種です。
成長が遅い分苔が付きやすいのですが、草体自体非常に丈夫なので、苔の付いた葉はカットしてもしばらくするときれいな新芽が出てきます。
ミクロソリウムには様々な種類があり、代表種の葉幅の広いプテロプスや細葉タイプのナローリーフなど、その他変わり葉タイプの改良種も多く出回っていますが、多少の成長速度の違いはあっても難易度はそれほど変わりません。
葉長は大きく育つと30cm以上になる種類もあるので、小型水槽よりはハイタイプの高さのある水槽や、60cm規格水槽以上の大きさの水槽が向いています。
また、物に活着する性質があり流木や石などに糸で巻き付けておくと一ヶ月程で自然に活着します。
底床に植える必要がないので、レイアウトの変更や水草のトリミングの際に容易に取り出すことができ、エビにも負担が少ないことも人気の理由です。
ビーシュリンプと相性の良いオススメの水草②ウィローモス
ウィローモスは水草というより苔の一種で世界各国に自生していて、もちろん日本国内にも自生しています。
アクアリウム用のウィローモスは主に海外からの輸入種ですが、非常に多くの種類が流通しています。
ビーシュリンプにはウィローモス!というくらい大変相性の良い水草です。
細かい葉にはさらに細かい茶褐色の根があり、これを使って物に活着します。
生い茂った葉にはエビの餌となる微生物が豊富に沸くので稚エビなど弱い個体との相性も抜群に良いです。
アクアリウムでの使い方は主に流木や石に糸などを使って巻き付けておく方法です。
ミクロソリウムに比べると若干気難しいところがありますが、初心者でも簡単に育成できる品種です。
写真のウィローモスは南米ウィローモスと呼ばれるもので、条件が合うときれいな三角形の葉を幾重にも展開させるとても美しい品種で、普通に売られているウィローモスと比べて活着力は弱いため、水中で分解されない釣糸などで流木に巻き付けて育成します。
南米ウィローモスによく似たジャイアント南米ウィローモスという品種がありますが、これは物に活着する性質はないので南米ウィローモスと同様に水中で分解されない釣糸などで巻き付ける必要があります。
ビーシュリンプと相性の良い水草③アマゾンフロッグピット
浮き草の一種で、葉を水面に浮かべて根を水中に降ろし養分を吸収します。
過酷な条件でも育成が可能で、葉を水面に浮かせてより強い光を受けることができるため殖えるスピードもかなり早い品種です。
水面から伸びる細かい根は、水面の過剰な養分を吸収してくれるため、水質改善には大変役立つ存在です。
水質の良し悪しはこの根に変化が現れることが多いので、水質を見極める目印にもなります。
脱皮直後の弱い個体などもしがみついて休むことが多いのでエビにとっても大変有益な水草です。
写真のアマゾンフロッグピットは小型種のドワーフアマゾンフロッグピットと呼ばれるもので、普通種の半分以下のサイズで小型水槽でも非常に扱いやすい上、余分な栄養分を吸収する能力は普通種とほとんど変わらないので水質改善にもとても役立つ品種です。
あまりに成長が早くすぐに水面を覆ってしまうため殖えたら適度に間引くと良いでしょう。
ビーシュリンプと相性の良い水草④アヌビアスナナ
アフリカ原産のサトイモ科の水草です。
紹介した水草の中でも一番といって良いほど頑丈な水草で、ちょっとやそっとでは枯れることはありませんが、成長速度はかなり遅い品種です。
とはいえ、一度スイッチが入るとじわじわと確実に成長していくので、じっくり育てたい方にはとてもお勧めの水草です。
成長が遅いが故に度々苔に見舞われてしまうことも多い水草ですが、きれいな状態を維持したまま大型化した草体は、かなりの高額で取引されることもあります。
この水草も他の水草同様に石や流木に活着させて育成します。
滅多に枯れることはありませんが、苔にはめっぽう弱く、取り出して木酢液などで処理すると苔は落とせますが、ビーシュリンプ水槽に頻繁に手を入れるのはできるだけ避けたいので、多少の苔程度なら気にしない方が良いと思います。水槽の中をきれいに保ちたい人にはあまりお勧めできないかもしれません。
ビーシュリンプと相性の良い水草⑤ボルビティス・ヒュディロッティ
西アフリカ原産
ミクロソリウム同様シダ系の水草です。
これも他の水草と同様に流木などに活着させて育成します。一度活着してしまえば中々剥がれないほどの活着力で、草体自体もとても頑丈です。
成長はそれほど早くなく、古い葉には苔が付きやすいので根本からカットしてしまえば新たに脇から小さな新芽が出てきます。
葉長は最大で40cm程度になり、比較的しっかりとした硬めの葉なので、なるべく大きな水槽で育成するか古い葉をどんどんカットしてある程度草体を虐めることで小型化し小さな葉を群生させることができます。
ビーシュリンプ水槽に水草を入れる際の注意点
水草は国内で生産されているものの他に海外から輸入しているものがあります。
特に海外から輸入しているものは検疫を通すために農薬で処理をしているものが多く、そのまま水槽に入れてしまうと薬品に弱いビーシュリンプは死んでしまうことがあります。
そのため、ビーシュリンプ水槽に入れる水草は無農薬のものを使用するか、水草表面の残留農薬を処理してくれるコンディショナーを使用すると良いでしょう。
▼水草の農薬処理の方法はこちらの記事で解説しています

ビーシュリンプと相性の良い水草まとめ
他にもビーシュリンプと相性の良い水草はたくさんありますが、水槽のメンテナンスやエビの世話のしやすさの面で低床に植えずに物に活着させて使うこの5種類を紹介しました。
それほど成長が早くない種類の水草でも、水質が良いと放っておくといつの間にか大きくなり、あまりに繁茂しすぎると水の流れが悪くなるので̪止水域ができます。
止水域はエビにとって有害な物質を滞らせ弱らせてしまう原因にもなるので、大きくなった水草は適度に株分けやトリミングをして、エビにとって程よい水流を保つようにしましょう。
今回は、主に実用性と観賞にも良い水草を紹介しましたが、水草なら何でも良いと特に拘りがない人は、基本的にウィローモスだけで十分です。
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